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岡崎藝術座
『ニオノウミにて』
生き物に内も外もあるのだろうか、人間にそれを決める権利などあるのだろうか。
第62回岸田國士戯曲賞受賞作家、
神里雄大の最新作。
沖縄にもルーツを持つ神里初の沖縄公演。
作・演出:神里雄大
出演:浦田すみれ / 重実紗果 / 嶋田好孝
岡崎藝術座
2003 年、神里雄大の演出作品を上演する団体として結成。
メンバーは神里のほか、小野正彦(俳優)がいるが現在活動休止中。
2010年から2012年にかけ、3年連続でフェスティバル/トーキョーに参加。
2012年『放屁蟲』(『レッドと黒の膨張する半球体』)で台北アーツフェスティバル(台北)、2016年には『+51 アビアシオン, サンボルハ』でシドニーフェスティバル(オーストラリア)、クンステンフェスティバルデザール(ベルギー)、フェスティバルドートンヌ(フランス)に招聘され、海外公演も多数。
神里雄大(作・演出)
1982年ペルー生まれ。作家、舞台演出家。2003年「岡崎藝術座」結成。
2006年「しっぽをつかまれた欲望」で利賀演出家コンクール最優秀演出家賞
2018年「バルパライソの長い坂をくだる話」で第62回岸田國士戯曲賞を受賞。
海外招聘公演多数。
沖縄系ペルー人と北海道系日本人にルーツをもつ神里ならでは想像力で、各地を訪問し採集したエピソードを元に、移動し越境する人々の物語を紡ぐ。
飲み屋で出会った釣り好きのオッチャンは、よく琵琶湖に行くらしい。おでんを食べながら、オッチャンから聞いた話。
琵琶湖ではもうずっと、「外来魚」の繁殖が問題になっている。そいつらが琵琶湖固有の魚を食べちゃうから。だから、行政は「外来魚回収ボックス」ていうのを湖岸に設置して、釣れたらそこに入れてください、ってやってる。要するに捨てるの。ブルーギルとかブラックバスとかね、捨てないといけない。でもバス釣りの連中は、魚に罪はないとかマナーがどうとかなんとかかんとか言って、リリース(再放流)してるの。
おれは捨てるよ、ポイポイって。
ところで、日本にブルーギル持ってきたの誰だか知ってる?
オリンピックを間近に控えたころのことだった。
アメリカ外遊中に出会ったブルーギルを、食用として、日本に持ち込むことを殿下は決意したのだった。
ブルーギルは、「おめでたいプリンスフィッシュ」と崇められ、日本各地に放流された。
<演出ノート>
琵琶湖で釣りをして、回収ボックスに入れたり、リリースしたりした。様々な立場の人の話を聞いて、生態系保存と治水の関係を考え、外来魚駆除大会へも行き、ブラックバスを食べ、湖岸を一周した。いつもざわざわしていた。
誰かが問題視していることを誰かはなんとも思わない。
複雑に絡むそれぞれのトピックは立場のちがいを際立たせて、対立するか無視し合うかしか先はない、みたいな感じがして、こわかった。いまの世の中の縮図を見た気がしてしまった。
でも、琵琶湖はいつまでも見ていたいほどうつくしくて、
漁師たちの住む沖島も湖岸から見た竹生島も、神秘的な雰囲気に満ちていた。能の「竹生島」をこの作品の参考にすることに決めた。
生き物に内も外もあるのだろうか、人間にそれを決める権利などあるのだろうか。
こわい、けれどもうつくしい琵琶湖のことを想像しながら、キャストやスタッフたちと話し合いつつ、創作する。
神里雄大
日時:
11月8日(金)20:00
11月9日(土)18:00
11月10日(日)14:00
※開場は開演の15分前。受付開始は30分前。
※各回終演後交流会を予定
料金:⾃由席
⼀般 2,500 円
22歳以下・学生 1,000 円
18歳以下 無料(枚数限定)
※未就学児童入場無料
※年齢制限チケットは当日要証明書提示
チケット予約・問合せ:
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